Department of Biological Science and Technology

先進工学部 生命システム工学科

生命の神秘を解明
人類のQOL向上に寄与する

生命システム工学科は、生物学に関する様々な分野の教育?研究を通じて、境界や融合領域にまたがる新たなブレークスルーを生み出すことを目標としています。「分子生物工学」「環境生物工学」「メディカル生物工学」の3系統を研究フィールドとし、生化学、遺伝学、生理学、分子生物学、細胞生物学、有機化学といった多岐にわたる手法を用いて、幅広い研究を展開。難病や疫病、食糧問題、環境問題など、現代社会が抱える多様かつ複雑な課題に対して、分野横断的なイノベーションを創出し、世界の人々のQOL(生活の質)向上を実現していきます。

概要図
  • 生命システム工学科の特徴1

    生命システムを
    総合的に学修

    生命科学に最重点を置き、有機化学、物理化学、生化学などの基盤分野を学びます。さらに、遺伝子工学、細胞工学、免疫工学、生体高分子工学、タンパク質工学、生体分子コンピュータ?シミュレーション、バイオプロセス工学なども学び、生命システムを基礎から応用まで修得します。

  • 生命システム工学科の特徴2

    イノベーションの
    源となる思考力を磨く

    最先端生物科学を利用した多岐に渡る手法を用いて、生命工学のイノベーションを起こす思考力を養います。3年次以降は生物工学実験がカリキュラムの中心に置かれ、現代バイオテクノロジーのエッセンスに触れる実験実習に主体的に取り組むことで、考察、議論する力を磨きます。

  • 生命システム工学科の特徴3

    3分野にまたがる
    最先端の研究

    「分子生物工学」「環境生物工学」「メディカル生物工学」の3分野をフィールドとし、幅広い研究活動を展開しています。人類の役に立つ新しい工学づくりの意欲に燃える気鋭の教授陣が日夜重ねる研究は、世界のバイオテクノロジーおよび内外の産業界を常に視野に収めています。

基礎情報?資格 BASIC INFORMATION & CERTIFICATION

キャンパス 取得学位 在籍学生総数 目指せる資格
天下足球网 学士(工学)

423名
(男?217名/??206名)

2020年5月1日現在

? 危険物取扱者(甲種)

カリキュラム CURRICULUM

■必修科目 ●選択必修科目 ◆選択科目

1年次 2年次 3年次 4年次
■基礎工学実験1?2/微分積分学1/化学1?2/生物学1?2
●微分積分学2/線形代数学1?2/物理学1?2/情報基礎/生物工学
◆基礎工学セミナー/数理基礎演習/プログラミング基礎1?2
■生命科学系キャリアパス
●微生物学/生化学1?2/酵素システム科学/食品工学
◆生物統計学/知的財産概論/デザイン思考入門
■生物有機化学実験/遺伝子工学実験/細胞生物学実験/構造生物化学実験/分子遺伝学実験/分子生体学実験
◆応用微生物工学/環境化学/生物相互作用論/生命科学と安全論
■卒業研究/生命システム工学演習
遺伝子工学分野
植物?環境工学分野
再生?発生工学分野
細胞工学分野
●遺伝子工学基礎/遺伝子工学/遺伝学/分子遺伝学/分子生物学/細胞生物学1?2/発生学/生理学/薬理学概論/生理化学 ◆細胞機能学/植物分子生物学/細胞工学/発生工学/ゲノム解析概論/環境生物工学/がんの生物学1?2/神経薬理学/再生工学/植物生理学
免疫工学分野 ●分子細胞免疫学/免疫学 ◆免疫工学/医療工学/病態と生理学
構造生物学分野 ●生物分析化学/生命情報科学 ◆生物物理学/タンパク質の構造と機能/タンパク質構造論/構造情報生物学
生物有機化学分野 ●有機化学1?2?3/生体物質化学 ◆RNAと遺伝暗号の科学/糖質工学

2020年度 学修簿 卒業所要単位表

専門
科目
基礎科目 一般教養科目 自由
科目
合計
専門基礎 基幹基礎 関連専門
基礎
自然を学ぶ
科目群
人間と
社会を学ぶ
科目群
キャリア
形成を学ぶ
科目群
外国語を
学ぶ
科目群
領域を
超えて学ぶ
科目群
80 18 28 2 128

学生の声 VOICE

特異な糖鎖の合成をうながす
「とんぼ返り」にはどんな意味が?

堀戸研究室 4年 伊藤 沙也香
千葉県?県立鎌ケ谷高等学校出身

印象的な授業 糖質工学

※内容は取材当時のものです。

学生の声

アレルギー予防を身近な食べ物で
短鎖脂肪酸の働きに注目

西山研究室 4年 安藤 実希
埼玉県?私立開智高等学校出身

印象的な授業 免疫学基礎

※内容は取材当時のものです。

学生の声

進路 CAREER

進路グラフ

2021年3月31日現在

主な就職先

  • [食料品、卸売?小売業]
    伊藤ハム、キ?ャハ?ン、極洋、小岩井乳業、タマノイ酢、日本ハム、日本ハム食品、ファミリーマート、森永乳業、ヤクルト本社、山崎製ハ?ン、ユーシーシー上島珈琲、ロッテ

  • [情報通信業]
    NSソリューションス?東京、オフ?ト、クロスハ?ワー、コヘ?ルコシステム、サン?フ?ラニンク??システムス?、シ?ェイ?クリエイション、東邦システムサイエンス、トランス?コスモス、日本IBM、日立ソリューションス?、LINE

  • [化学工業(医薬品等)、サービス業(臨床開発等)]
    アクセンチュア、エーサ?イ、キッセイ薬品工業、シミック、新日本科学、住友化学、日本商工会議所、メイテック、ライオン

2018年3月~2020年3月卒業生

PICK UP

  • 先進工学部生命システム工学科紹介

  • 模擬講義「免疫学―体を守る免疫のしくみ-」

特異な糖鎖の合成をうながす
「とんぼ返り」にはどんな意味が?

堀戸研究室 4年 伊藤 沙也香
千葉県?県立鎌ケ谷高等学校出身

堀戸研究室は学科で唯一の有機合成化学系研究室。私の得意な生物学が、化学の領域でどう活用されるのかを知りたいと思い所属しました。研究対象は、膜タンパク質「フリッパーゼ」。がんの発症や免疫機能など、生命活動で重要な機能を果たしている物質「糖鎖」の合成に関与していると言われています。フリッパーゼが、複雑な糖鎖を合成するフリップ(とんぼ返り)現象をなぜ起こすのか。実態に迫ってみたいと思っています。

学生の声
印象的な授業は?

糖質工学

授業の総括として、研究テーマと実験方法を自分で組み立てて先生にプレゼン。糖鎖がどのような物質で、どんな役割を担っているのか。最初はまったく知識がありませんでしたが、次第にがんなどの疾患と関わっていることが理解できました。

2年次の時間割(後期)って?
1 英語6 英語6
2 糖質工学 細胞機能学 がんの
生物学1
環境化学 ゲノム解析
概論
3 生物工学
実験2 /
生物工学
実験6
RNAと
遺伝暗号の
科学
生物工学
実験2 /
生物工学
実験6
生物工学
実験2 /
生物工学
実験6
4 医療工学
5
6

週に3回、3限から5限目までが実験。「授業を受ける」という感覚ではなく、能動的に学んだ1週間でした。2年次までに必要な授業を履修しておけば、時間的なゆとりも確保できます。

※内容は取材当時のものです。

アレルギー予防を身近な食べ物で
短鎖脂肪酸の働きに注目

西山研究室 4年 安藤 実希
埼玉県?私立開智高等学校出身

多くの人を悩ませている花粉や食物の「アレルギー」。反応を引き起こす要因となる免疫細胞の一種が「マスト細胞」で、その活動を抑制する可能性をもつ「短鎖脂肪酸」に注目しています。人間が食物繊維を摂取した時、腸内細菌によって分解されて産生されるのが短鎖脂肪酸。どのような分子がマスト細胞に働きかけて抑制するのかが分かれば、身近な食べ物によるアレルギー予防や改善の実現に近づけるかもしれません。

学生の声
印象的な授業は?

免疫学基礎

私たちの体内に細菌などの異物が入り込むと、一体どのような仕組みで免疫反応が起こるのか。分子間の複雑な相互作用を学び、また反応の違いなどについても、適宜実施される演習によってしっかりと理解することができました。

2年次の時間割(前期)って?
1 発生学1
2 免疫学基礎 酵素学1 有機化学1 細胞生物学1
3 遺伝子工学
基礎
生化学基礎
4 英語4 生理学1 微生物学 英語4 知的財産
概論
5
6

専門的な知識を掘り下げた1年間でした。想像を超えて生物学の領域は広く、だからこそ自分に合う分野が見つかりました。週に2?3回は、テニスサークルの活動にも参加しました。

※内容は取材当時のものです。

有村 研究室

[専攻]分子生態学 [指導教員]有村 源一郎 教授 [キーワード]遺伝子工学,エコロジー,生理学
[テーマ例]?植物の病害虫応答機構の解明 ?植物のケミカルコミュニケーションの分子基盤の解明 ?健康に役立つ植物成分サプリメントの開発

生物は他の生物と相互作用することで多様な進化を遂げてきました。本研究室では、生物が他の生物を認識するメカニズムを明らかにするため、最先端の遺伝子工学とエコロジーを融合した研究に取り組んでいます。植物の防御応答を誘導する情報因子(エリシターや植物の香り)が植物の防御やコミュニケーションに如何に機能するか?これらを解き明かすことで、食料?環境問題に活路を見出します。

近藤 研究室

[専攻]ゲノム工学 [指導教員]近藤 周 准教授 [キーワード]遺伝子工学,ゲノム生物学
[テーマ例]?網羅的遺伝子ノックアウトによるゲノム機能解析 ?動物ゲノムの人工合成を可能にする巨大DNA構築技術の開発 ?ショウジョウバエを用いたヒト疾患モデルの開発

私たち人間を含むすべての生物は、染色体DNAに書き込まれたゲノム情報を基にして、生命の発生と維持に関わる様々な機能を実行しています。私たちの研究室では、ショウジョウバエを用いてゲノム中の遺伝子の機能を網羅的に解析し、ゲノムが働く仕組みの解明を進めています。また、ゲノムを人工的に設計?合成し、有用な生物を作出するための基盤技術開発も行っています。

清水 研究室

[専攻]ゲノム工学 [指導教員]清水 公徳 教授 [キーワード]微生物遺伝学,遺伝子工学,応用真菌学
[テーマ例]?物質生産に関与する転写因子活性制御機構の解明 ?真菌遺伝子およびタンパク質機能解析ツールの開発 ?有用未知微生物の発掘

地球上にはさまざまな微生物が生息し、いろいろな形でわれわれの生活に深く関わっています。本研究室では、これらの微生物機能を制御することが人間生活に役立つと考え、遺伝学や分子生物学手法を駆使して研究を進めています。また、未知微生物は数百万種ともいわれ、われわれが認識している生物種の数十倍以上と見積もられており、これらの発掘を通じて、微生物機能の開発を多面的に推進することを目指しています。

白石 研究室

[専攻]機生体高分子工学 [指導教員]白石 充典 准教授 [キーワード]タンパク質工学,生物物理学,構造生物学
[テーマ例]?Gタンパク質共役型受容体の構造機能解明 ?疾患関連タンパク質に対する新規抗体分子の創製 ?バイオ医薬?診断薬に向けたタンパク質の高機能化

病気の多くは体内のタンパク質が異常に働くことで引き起こされます。私たちはこのようなタンパク質分子(主として細胞表面受容体)の構造や機能を分子?原子レベルで明らかにし、より良い薬の設計につなげることを目指しています。また抗体分子に関する研究も行っており、医薬や診断薬としての応用を目指しています。

瀬木 研究室

[専攻]発生?再生工学 [指導教員]瀬木(西田) 恵里 教授 [キーワード]生体機能学?病態生理学?神経薬理学
[テーマ例]?うつ病の病態メカニズム解明 ?海馬におけるうつ治療標的の同定 ?痛覚によるストレス応答増幅メカニズムの解明

生体を一つの調節機構と捉え、分子から細胞?組織?生体までの相互作用解明を目指します。うつ病モデルやうつ治療モデルを用いて、新たな治療標的の同定を目指しています。さらに、標的とする遺伝子の発現制御を行うことで、神経機能における分子の役割の解明を行います。これにより、これまでに知られていない脳機能の制御メカニズムの一端を明らかにするとともに、精神疾患の治療分子標的の同定も試みます。

高橋 研究室

[専攻]植物分子生物学 [指導教員]高橋 史憲 准教授 [キーワード]分子生物学,遺伝子工学,分子育種
[テーマ例]?植物の環境ストレス応答機構の解明 ?離れた器官間をつなぐ長距離シグナル伝達の解明 ?環境ストレス耐性作物の開発

ヒトを含むすべての生物は、植物なしでは生きていけません。本研究室では、植物が環境ストレスに応答する際に重要な遺伝子群を探索し、分子?細胞?個体レベルでの機能について研究しています。特に、脳や神経を持たない植物における、環境ストレスの認識?適応メカニズムの解明を進めています。さらに基礎的な研究成果を、作物の品質改善や生産性向上に応用すべく、環境ストレス耐性作物の開発にも取り組んでいます。

田村 研究室

[専攻]生体物質化学 [指導教員]田村 浩二 教授 [キーワード]進化生命化学,RNA科学
[テーマ例]?遺伝暗号の分子論的基礎づけ ?リボザイムの機能解明 ?RNAとタンパク質の起源と進化

RNAとアミノ酸の対応関係である「遺伝暗号」は、すべての生命体に共通に存在するアルゴリズムであり、生命体の本質や構成原理に関わっています。本研究室では、遺伝暗号の起源と成立原理を解明することで、生命の起源の謎に迫っています。また、触媒機能を有するRNAの開発などの、ナノテクノロジーの創出にもつながる研究も指向しています。さらに、L-アミノ酸のみが使われている生物界の非対称性の謎の研究や、遺伝暗号を利用した新規タンパク質の合成へ向けた基礎研究も行っています。

十島 研究室

[専攻]細胞生物学 [指導教員]十島 二朗 教授[キーワード]細胞内物質輸送,細胞増殖制御
[テーマ例]?医薬品の主要な標的分子であるGタンパク質共役受容体の活性制御機構の解析 ?細胞増殖の制御機構とがん化に関する研究(エンドサイトーシスによる調節機構) ?創薬の標的としてのプロトン輸送体の研究(細胞内pHの制御機構の研究)

医薬モデル生物工学はモデル生物を用いて得られた研究成果を、病気の原因解明や医薬品の開発につなげていく研究です。私たちの研究室では、人間の細胞に類似した機能を持つモデル生物である出芽酵母を用いて、医薬品の主要な標的分子であるGタンパク質共役受容体や、がん疾患の治療薬として期待されるプロトン(H+)輸送体の研究を行っています。また、病原体の排除や、ウィルス感染に関わるエンドサイトーシスの研究を行っています。

西野 研究室

[専攻]生体高分子工学 [指導教員]西野 達哉 教授[キーワード]染色体工学,タンパク質工学,構造生物学
[テーマ例]?遺伝情報の維持継承に関与するタンパク質の立体構造解析 ?がんや遺伝病に関与するタンパク質の立体構造解析 ?立体構造をもとにした新規プラスティック分解酵素のデザイン

生命現象に必須なタンパク質は、特定の形によって機能を発揮します。遺伝情報の維持伝達や小分子の代謝を行う酵素まで、様々なものが存在し、その異常はがんや遺伝病など様々な病気につながります。私達の研究室では、タンパク質の立体構造を手掛かりに、生体内での機能を明らかにします。また、プラスチックなど環境に影響を与える高分子を分解する新規酵素をデザインし、世の中に役立つタンパク質を作り出すことを目指します。

西山研究室

[専攻]免疫学 [指導教員]西山 千春 教授 [キーワード]分子生物学,ゲノム医科学,応用生命工学
[テーマ例]?アレルギーや自己免疫疾患の発症機序解明 ?幹細胞から免疫系細胞分化における遺伝子発現制御機構の解明 ?食品や腸内細菌代謝副産物による免疫応答調節

免疫は私たちの体を感染から守るために本来備わっている機能ですが、アレルギーや自己免疫疾患、移植、がんなど、さまざまな病態と関わります。免疫応答を司る細胞たちが機能を発現する仕組みを解き明かすべく、遺伝子、分子、細胞、マウス個体、ヒト検体、と多様な視点で取り組んでいます。学生の皆さんに研究の面白さ、醍醐味を経験してもらえるよう、楽しみながらもしっかり研究していきたいと思います。

宮川 研究室

[専攻]発生内分泌学 [指導教員]宮川 信一 准教授[キーワード]発生生物学,内分泌学,環境生物学
[テーマ例]?生殖器官の発生?分化?疾患に関する研究 ?内分泌かく乱物質の作用メカニズムの解明 ?環境に依存する性決定メカニズムの解明

脊椎動物の生殖や性決定に関して、環境から受ける影響を加味し、発生生物学?内分泌学?環境生物学の見地から研究を行っています。実験材料はマウスのほか、動物の性決定や生殖戦略の多様性を鑑み、魚類や爬虫類など野生生物も対象とし、分子から生体レベルまでの総合的な研究視野から研究を行っています。

吉田 研究室

[専攻]有機化学 [指導教員]吉田 優 准教授[キーワード]有機合成化学?ケミカルバイオロジー
[テーマ例]?高効率分子連結法の開発 ?炭寿命化学種を利用した有機化学反応に関する研究 ? 典型元素を利用した有機合成手法の開拓

有機化学は、ライフサイエンス研究を支える基盤技術のひとつです。私たちは、ライフサイエンスを加速させる、独創的な有機化学反応の創出を目指して研究に取り組んでいます。特に、学生の皆さんの個性を発揮しながら、生体分子に機能付与できる手法や医薬品創製などに役立つ反応を開発しています。研究の中で出会う、有機化学の可能性を大きく拡げる発見を、学生の皆さんと一緒に楽しみながら未来を切り拓きたいと考えています。